ついにLVMHも! 高級ブランドがホテル業界に続々参入の理由

ホテルはブランドをプレゼンする最高の場

 ファッションブランド、ラグジュアリーブランドのホテル業界進出の背景には、ファッションなど一分野に止まらず、家具から食器・雑貨まで、そのフィールドを生活全般に広げるブランドの増加があります。

 ファッションからワインまであらゆる高級ブランドを傘下に収めるLVMHは、ホテル業界への参入を「ラグジュアリー・ホスピタリティ活動の自然な拡張の結果」だとしています。LVMHの場合は服飾雑貨はもちろん、スパからワインまで、ホテル内の全てを同グループの製品・サービスで統一することができます。自社ブランドのトータルイメージを顧客に伝える場として、また商品をディスプレイする場として、ホテルはまさに絶好の空間なのです。

 ブランドを最高の形でプレゼンできるというメリットの一方、ホテル業界は浮き沈みが激しいというデメリットもあります。高級ブランドの多くはホテル業界進出に非常に慎重であり、LVMHもホテル部門の従業員の人数は最小限に止め、リスクを低減する方針です。他のブランドも、ホテルの不動産所有は他社で、運営のみを行う、運営は他社に任せてホテルのプロデュースのみを行うなど、リスクを最小限にするために様々な形をとっています。

 とは言え、世界的不況から脱した今、高級ブランドの名を冠したホテルは増加の一途を辿ることは間違いありません。そのブランドの世界観をどう表現するかだけではなく、今後は既存の高級ホテルグループとどのように差別化を図っていくかが、ホテル事業の成否を分けることになるでしょう。

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