「口止め料」2億7000万円を蹴った元社長(富士通・野副元社長)

取締役会で秋草相談役を追求する

 世界でその名を知られる東証一部上場企業のトップの辞任理由が変更されるという異例の事態。耳を疑った投資家諸氏も多いことだろうが、野副氏はもう一度コーポレートガバナンスを回復させるためにも、復帰したいという。

 ◆以下野副氏の話

 富士通のコーポレートガバナンスは、9月25日においても現在においてもまったく機能していない。18万人の社員、株主をはじめ多くのステークホルダーのためにも、上場企業として早急に会社としてのガバナンスを回復させなければいけないと感じています。

 私は当初は取締役としての地位保全の仮処分を申し立てましたが、当時は十分な準備ができていないので一旦は取り下げました。その代わり、公開質問状による外部調査委員会の設立の要求と、東証の処分の発動要求を行いました。しかし、富士通からも東証からも誠実な対応が行われていない状況です。今は自らの地位保全を申し立て、自らが代表取締役として総会前に何とか復帰して、その責務と任を果たすことが第一義だと考えています。

富士通側は「司法の場での決着を望む」とコメントしており、今回の事件の首謀者を含む取締役の重任議案が株主総会に提出される日も近づいてきたことから、本日、代表取締役の仮処分を申し立てる計画です。

 裁判所で認められた場合には、代表取締役として株主総会までに復帰して、取締役会で事情を説明し、今回の事件の首謀者である人たち、具体的には秋草氏と間塚氏の責任を追及するとともに、外部調査委員会を設立して事件の全容を究明し、社会に対しても説明責任を果たしていきたいと思っています。そして、富士通に健全な企業統治、コーポレートガバナンスのあり方、コンプライアンスを遵守する組織を建て直したいと考えています。

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