Dくんの勉強場所には法則があった
答えは「家のあちらこちら」。
Dくんは自作の移動式勉強机を使って、あらゆるスペースを勉強の場にしていたのです。移動式と言っても大げさなものではなく、押入れの片隅にあったまん丸の天板を、箱の上に載せただけの簡単なものです。
その日の気分によって、移動式机を使ってあちこちで勉強していたDくん。天気がいいときは庭で勉強することもあるそうですが、お母さんによると、Dくんの行動には、ある一定の“法則”があるそうです。
それはお母さんの生活動線とDくんの勉強場所がぴたりと重なるということ。
たとえば。
お母さんがソファでテレビを見ている横、
ゴミ出しのために、リビングの脇から抜ける玄関前の廊下、
洗濯物を干している庭の物干しの脇など。
お母さんは「最初のころは私も叱ったんですよ。『邪魔だからどきなさい!』って。でもしばらくしてわかったんです。ああ、この子はわざと私の通るところ、私の目につくところで勉強しているんだな、って」と話していました。