ファッション業界を変える存在
ファッションが大好きという強い思いだけで、ここまで市民権を得たファッションブロガーたち。単純に考えれば、ブロガーというカリスマ性のある“シロウト”の出現で、これまでショウに招待されていたエディターやジャーナリストら“プロ”の誰かが招待リストから落とされているとも考えられる。まさにファッション下剋上の世界の到来か。
だからといって仲が悪いというわけではなさそうで、海外の雑誌でもファッションブロガーを特集した記事も多く、雑誌でコラム記事を書くブロガーも少なくない。あくまで共存という考え方が浸透しているようだ。
ブランドにとっても、これからは若い消費者にどんどんアピールしていかなければ、ブランドの未来はない。若いネット世代からの支持が強いブロガーを取り込むのは、賢い選択といえるだろう。
だが一方で、ここ最近のブロガー熱はあくまでも一過性のもの、ととらえる冷静な関係者もいる。いつまでタヴィさんがフロントロウをキープして、稀代のファッション評論家としてもてはやされていられるかは分からない。いずれにしても、ネット社会がファッション業界のヒエラルキーを崩し始めていることだけは確実なようだ。