任天堂・山内溥氏の目標はビル・ゲイツ超えか

企業は税金を払うことが社会貢献


 巨額の寄付を行う山内氏だが、面白いことに、現役経営者だった時代は、財界活動もせず、会社としての社会貢献が嫌いなことで知られていた。「税金を払うことこそ、企業の最大の社会貢献」と言い切っていた。山内氏の寄付活動をみて、ある京都財界関係者は「やるなら個人としてやりなさいということだったのだろう」ととらえている。

 山内氏が、家業の花札メーカーだった任天堂を継いだのは昭和24年。58年にゲーム機を発売し、世界的なゲームメーカーに急成長したが、自らはゲームをしないことでも知られていた。

 長男が任天堂に勤め、女婿は米国任天堂の社長だったが、後継者には血縁を選ばず、平成14年、現在の岩田聡社長を指名している。

 公私を明確に分け、社会貢献は個人で――という山内氏の考え方が見える。

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