実はペテン師?
南氏は講義の最後を「私の話はペテンです」とユーモアで締めくくった。こうした古典の講義を受けることは、生きるか死ぬかのビジネスの世界に身を置く大富豪にどれほどの変化をもたらすのだろう?
講義に出席していた20代の2代目の若者は「率直に言って自分のこれまでの人生からは、古典の内容を理解するのは容易ではなかった。大先生が言う、喜怒哀楽をコントロールするというのは大変難しいように思う」としながらも「しかし、学んだこともある。従業員の好みを知り、自分の態度を修正することが大切ということだ」と話していた。
また、ある上場企業の社長は「現代の中国企業は技術の向上ばかりを追求し、企業文化を確立することが軽視されている。しかし、両方を進歩させてこそ企業をより発展していくことができる」と古典を学ぶことの意義を強調した。
一方、フランスに留学経験のある金融マンは「古典を学ぶということは心を養うこと」とした上で「古典から貴重な精神を学んだ後、現代の未熟な市場や未整備の法制度をいかに整えていくかが真に求められている」と話し本当の“安心”を手にするためには、単に古典を学ぶだけでは十分ではないとの考えを示していた。
結局のところ南氏は大富豪たち自身に、古典を通して「考える機会」を与えていると言える。大部分は、現場に戻った後、“大先生”の教えを消化していくことになるだろう。