IPOで1億円稼ぎたければベンツに乗れ【1】

IPOだけで1億円以上


JACK氏が当選した「ボルテージ」の取引明細
「(投資信託の購入費、証券マンへの営業、手数料など経費諸々で)1000万円くらいは掛っているのではないでしょうか。でも、IPOだけで、ざっと1億円以上の収益はあると思います」

 もちろん、初心者が黙っていてもIPOが来るわけではない。きちんとした基本戦略に則った営業努力が必要なのは言うまでもない。

 2005年4月、公募価格1株90万円に対して240万円の初値がついた「ぐるなび」。JACK氏は2株を獲得、わずか1週間足らずで売却し、約300万円の利益を得た。しかし、証券口座の預かり資産には30万円しかなかったのだ。いわゆる“細客”のJACK氏が、どんな営業努力をしたのか、解き明かしてみる。

 その幹事証券会社との相性が悪かったために、思い切って支店を移管した。証券マンがいくら資金を預けられるかどうかたずねてきた。そこでJACK氏は次のようにこたえた。

 「夏のボーナスを全額。それと、定期預金も解約して、資産運用のアドバイスをもらおうと思っています」

 その時点では、ぐるなびのIPOには触れずに、数日後に軽く切り出してみた。

 「ぐるなびという銘柄のIPOがあると聞いたのですが、わたしでも参加は可能ですか? もちろん、今後の余裕資金の運用は、すべてお願いしたいと思っています」

 勝負は決まった。

 最初は、IPO欲しさを顔にも口にも出さず、証券マンにとって、いかにも良い客を装い、今後の資産運用をお願いしたことが勝因だった。

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