ボーディングスクールから再びインターナショナルスクールへ
-娘さん2人は何年間GGSに在籍したのですか?
「長女が2年、次女が3年です。もともとは夫の海外赴任をきっかけに、いずれ英国の大学へ進学させるつもりでブリティッシュスクールのGGSへ入学させたのですが、長女が北米の大学に興味を持つようになったため夫の帰任と相前後して日本に帰国し、GGS留学前に一時期通った古巣のインターナショナルスクールへ戻りました。次女はGGSがとてもお気に入りで、長女が帰国する際、自分だけでも残りたいと主張したので、長女より1年長く在籍しましたが、現在は長女と同じく日本国内のインターナショナルスクールに自宅から通っています。
米国のボーディングスクールへ転入させるという道もありましたが、現・在籍校である日本国内のインターナショナルスクールは北米の大学への進学実績が高く、ここで頑張れば志望校に手が届くと思えたのと、スイス時代にボーディングスクールの醍醐味をすでに十分体験していたということもあって、校風をよく知るかつての学校に戻ることにしました。日本のインターナショナルスクールは、ひとたび入ってしまえば後々行き来しやすいという利点があります。」
―レベルが高いインターナショナルスクールならば、米国の大学への進学も問題ないわけですね。
「はい。けれども白状しますと、米国のボーディングスクールへの留学案が立ち消えになった背景には、予定外だった別の事情も関わっています。成長著しい10代の娘たちを手許に置いて学校生活をつぶさに垣間見るのが、この上なく楽しくて、テンスクールなどへ出そうという意気込みが萎えてしまったのです。こんなに可愛くて面白い年代の子どもを、海外に留学させるなんてもったいない! 世のご家庭は、よくこんな年代で手離されるなあ、なんて(笑)。幼少時にボーディングスクール留学を済ませてしまうと、セルフコントロールができる子になって帰ってくるので、あとがとても育てやすいのです。お勉強も自分で計画を立ててやってくれますから、ガミガミお説教する必要がなく、親子関係もすこぶる良好です。今は娘たちと暮らす生活をフルに謳歌しております。先にボーディングありき、で我が家は正解だったとしみじみ思います。」
低年齢留学はグローバルな学歴を手に入れるためにはよくても、日本に戻ってきた場合に学校の選択肢がないのでは、と不安を抱く人もいます。しかし、インターナショナルスクールは意外に融通がきき、一度籍を得れば、海外に出た後に方針転換して帰ってきても戻りやすいようです。若草家は低年齢留学からスタートしたお蔭で、日本人にとっては難関のインターナショナルスクールを本拠地に定めることができました。子どもを将来どのように育てていくのか、教育方針とルートをはっきり描けているのなら、思い切って幼い頃から海外に出すのも1つの手ではないでしょうか。