不動産投資家必見!「ゴミ屋敷」で200万円損する前に

オーナーが“被害者”

 特に強制執行費用だが、運搬用トラック、作業員16人分の日当、荷物の保管料、(取りに来ない場合の)廃棄代金などという内訳となり、これだけの費用となる。ただし、このケースでは、この入居者の同フロアは誰も住んでおらず、隣の部屋に荷物を保管することになったので運搬料、保管料、廃棄費用が必要なく、費用は安く済んだ。

 ここまで読めば、お気づきの読者もいるだろうが、さらに必要な費用が発生する。ゴミ屋敷の片付けに成功。だが、それに伴った損傷も激しく、原状回復をしなければ、他の入居者を入れることができないのだ。

 「契約によっては滞納保証会社が保証することになっている場合があります。また、本来は原状回復費用をオーナーは入居者に請求できるはずですが、実際は無い袖は振れないということで入居者はなかなか支払えないので、結局オーナーが自己負担せざるをえない、ということになります」(青木弁護士)

 言うまでもなく“被害者”はオーナー。このケースでは、3カ月以上滞納していたので、すぐに手を打ったことが早期解決につながった。だが、いずれにせよ、理想は未然に防ぐことしかないようだ。次項は、その点を考えてみたい。

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