問屋が卸してくれない
だが、今では成功している清水さんのビジネスも、最初にして最大のピンチはネットショップ立ち上げだった。
「立ち上げるために、卸し業者に話を持っていったのですが、みんな『ネットじゃダメだ』といって断られました。やっぱり実際のリアルの店舗を持つしかないと考るようになって、それが店を構えたきっかけです」
すぐに店舗が必要だったが新潟市内で良い物件はすぐに見つかった。新潟市中央区。この地方で最大の繁華街であり、立地としては申し分なかった。だが、両親からは「借金だけはするな」とキツく釘をさされていた。しかし、30平方メートルほどで、坪あたりの賃料は1カ月2万円。両親の教え、自身の予算、立地の良さを考えれば、願ってもない条件だった。
「繁華街の中心にすぐ近いビルの1階が空いていたんですよ。元は着物店があったのですが、飲食店にも向かないということで、ずっと空いたままになっていたそうです。ちょうど良い場所と広さの場所が見つかったのは、ラッキーでしたね」
自己資金は約500万円。初期費用の内訳はだいたい次のようになった。
・内装工事100万円
・保証金 100万円
・仕入れ 150万円
・雑費 50万円
内装工事費用は知り合いに頼みこみ、また、保証金も値切って、何とか予算内に収まった。そして問題の仕入れだが、とあるメーカーの協力を得られた。それも、商品を先に貸してくれる委託という方式で、店側にとっては在庫を抱えるリスクがなかった。
「潤沢な資金があったわけではないし、在庫を抱えていたらやってはいけないし、このメーカーさんには、本当に助けられました。今でも感謝しています」と清水さん。
2005年、この地に「Sugar」は誕生し、現在も本社所在地となっている。