金融庁的には「課徴金制度で済ませたい?」
―約50億円のライブアに比べて、約190億円の日興証券の方が粉飾額が大きかったため国策捜査とも言われています。自分の場合だけが国策捜査だったと思いますか?
「まぁ決めるのは向こう(検察庁)なんで。ビックカメラのほうがもっと粉飾は大きいですけどね。新井(隆二ビックカメラ創業者)さんはよくわかっていたと思うんで。今は粉飾では大きな事件になりませんよ。課徴金制度(※欄外に語句説明)ができたのが大きいと思う(施行は2005年4月から)。僕らの事件は2004年だったけど、今はたぶん課徴金制度ができたから、それで済ませようという流れが大きくなった。
だって、何でもかんでも検察庁が入っちゃうとたいへんだし影響が大きい。市場が大混乱しちゃうし、みんな損しちゃうから、課徴金で済ませたい、と金融庁的には考えているんじゃないかな。法務省と金融庁が別の役所なんで、金融行政的には何でもかんでも検察庁が入ると困るから、そのために課徴金制度が作られたんじゃないかと思う」
※課徴金制度とは、証券市場への信頼を害する違法行為などに対して、2005年4月から導入された、行政措置として違反者に対して金銭的負担を課す制度のこと。