中国では資産とは継承するもの
パーティー責任者は「恥ずかしい場面に遭遇するのが、彼らの一番の心配だ」と話す。50人の参加者のうち数人から電話があり「自分たちは寄付を強要されるのか」との問い合わせがあったという。こうした富豪たちの不安を払しょくするため、今回の活動はゲストたちとの友好関係を築くためであり、寄付への圧力はないと説明している。
中国の富豪たちは、なぜ慈善事業への寄付に抵抗を感じているのだろうか。清華大学公共管理学院NGO研究所所長の鄧国勝(とう こくしょう)氏によると中国とアメリカの慈善制度や文化の違いが大きいためだという。
アメリカでは高収入であればあれるほど税金が高く相続税も莫大で、制度上、慈善事業に寄付する傾向にある。一方、中国にも同じような制度はあるものの、特に相続税に対しては大きな妨げがある。つまり資産は子孫に“継承”していくものという伝統的な思想だ。
特に、現在の中国富豪は貧しい中から苦労して財産を築きあげた。こうした富を他人に渡すのは簡単には受け入れられないのだ。また、中国社会はまだ不安定で地位を確実なものにするには財産が必要という面もあるいう。