切り方、味付けだけで変わるもの
「僕、サラダは嫌いと思っていたけれど、ああいうサラダだったら食べられる!」
男の子はそう母親に話して、それからは家でも千切りの野菜にドレッシングをかけて、たくさん食べるようになったのだそうです。
阿部さんの母はこの話を聞いて「なるほど!」と納得したといいます。
「“サラダが嫌い”と言われて、頭ごなしに“食べなさい”と叱らなくても、切り方や味付けを変えるだけで、意外と子どもは食べられるようになるものだと知ったんです」
そしてさっそく自分でも試してみました。当時、麻美さんが嫌いだったのが玉ねぎです。
「独特の歯ざわりや辛みが苦手だったようで、まったく食べませんでした。それで目先を変えて、衣をつけて揚げてオニオンリングにして出してみたのです。すると何も言わずに食べていてびっくり。“あら麻美、玉ねぎ食べられるようになったの?”と聞くと、“えっ!?これ、玉ねぎなの?イカのフライだと思って食べちゃった”と言うので、大笑いしました」