フェリスから慶應大学に合格した家庭の食卓 頭のよい子が育つ食卓【7】

切り方、味付けだけで変わるもの


 その男の子はサラダが大嫌いで、食卓で出されるサラダがどうしても食べられませんでした。ところがあるとき、友だちの家で出されたサラダを食べてみるととてもおいしくて、パクパクと完食してしまったとか。男の子の家のサラダは、レタスやキュウリを大きめにざくざくと切って、その上にマヨネーズをかけたもの。一方、友だちの家のサラダは、キャベツやニンジンを千切りにして、ドレッシングで和えたものでした。

 「僕、サラダは嫌いと思っていたけれど、ああいうサラダだったら食べられる!」

 男の子はそう母親に話して、それからは家でも千切りの野菜にドレッシングをかけて、たくさん食べるようになったのだそうです。

 阿部さんの母はこの話を聞いて「なるほど!」と納得したといいます。
 「“サラダが嫌い”と言われて、頭ごなしに“食べなさい”と叱らなくても、切り方や味付けを変えるだけで、意外と子どもは食べられるようになるものだと知ったんです」

 そしてさっそく自分でも試してみました。当時、麻美さんが嫌いだったのが玉ねぎです。

 「独特の歯ざわりや辛みが苦手だったようで、まったく食べませんでした。それで目先を変えて、衣をつけて揚げてオニオンリングにして出してみたのです。すると何も言わずに食べていてびっくり。“あら麻美、玉ねぎ食べられるようになったの?”と聞くと、“えっ!?これ、玉ねぎなの?イカのフライだと思って食べちゃった”と言うので、大笑いしました」

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