現役医師が経営する赤字覚悟の白衣セレクトショップ

実情は毎月赤字続きなんです


藤元流八郎氏
 医師は過酷な労働条件で働くストイックな世界なので、楽しみというのがあまりないんです。そんな厳しい医療現場の中に、少しだけでも潤いを、ということを一番に目指しています。それに加え、白衣を着たまま、先生方同士で話せる場所を提供したかった。医師は狭い世界なので、情報がその場所ごとに偏ってしまう傾向があるのですが、ここは日本各地から先生がお見えになるので、情報交換ができて、コミュニケーションの場として機能しているんです。

 ドクターは一人前になるまでは、時間的にも経済的にもとても厳しい職業なんです。親から仕送りをもらわないと生活できないという人も大勢います。白衣は高価なものではないので、値段の設定も4000円から高くても2万円程度ですので、同じ職業の中でも、上から下まで、さまざまな立場にいる先生方が、共通の話題でここに集まって来られるのです。

 実情をお話してしまうと、毎月赤字続きで、ビジネス的には成功しているとは言えませんが、いろいろな先生方と知り合いになれるので、そういった交流が生まれるのが面白いですね。そのうち、知り合いの先生方が増えたら、集まる場を店内に設けようかな、とも考えています。ドクター同士のコミュニティーの場には、どうしても営業がらみの人が入ってきてしまうことが多いのですが、ここでしたら医療関係者しか集まらないので、純粋に先生同士で話せる場として活用できたらいいなと思います。

 同店で扱っている白衣は、ビームス、ルコック、アシックス、ワコール、海外からはアメリカのスマート・スクラブなど有名ブランド、アプロンなどのユニフォーム専門ブランドも含まれている。従来の綿の白衣という概念を覆すような、機能性に優れた白衣も多く、ネットではわからない着心地や肌触り、ポケットなどの機能を確かめるため、1~2に時間かけて試着を繰り返すドクターも少なくない。

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