JAL再生とはダメ幹部再生だった(稲盛和夫会長)

「頼りない経営幹部たち」

 これまで多くの人材を育ててきた稲盛氏も、問題児ばかりのクラスの担任になった気分だったのではないか。更生計画を実行するためには、まずは幹部、そして社員が頑張るしか道はない。そのためには、短期間で教育するしかなかった。そこで『稲盛道場』を開くことになったのだが…。

 稲盛)更生計画は幹部社員が実行するしかないのですが、しかし、申し訳ないが、私には経営幹部たちが頼りなく映りました。元々、官僚的で無責任な体質だったのですが、しかし、日本航空には彼らしかいないのです。

 6月からリーダー教育を行いました。売上を最大にし、経費を最小にする。リーダーはそれを率先して実践しなければならないのです。リーダーとは立てた目標は達成しようとする強い熱意を持たなければならないのです。私が京セラやKDDIで教えてきたようなことを、教えていきました。それは週4回、合計17回になります。

 ただし、座学だけではダメで、7月からはそれを現場でどう活かしているかを発表する場である月例会議をスタートしました。そうすると翌月からは経営数字が出てくるようになりました。

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