JAL再生とはダメ幹部再生だった(稲盛和夫会長)

日航はアメーバ経営で変わるか


 「アメーバ経営」とは改めて説明すると、小集団をいくつも作り、その組織の中で時間当たりの採算を最大化して、目標達成を目指す経営管理手法。当事者意識を引き出しやすいなどの利点がある。稲盛氏の経営理論の代表的なものだが、普通ではなかった日航にそれが通用するのだろうか。

 稲盛)私は7月から各空港の現場を回ってリストラのおわびをしていきました。社員たちには、苦しいが頑張ってほしいということを話して、今後は二度とリストラをしないことを約束しました。

 現在、約9カ月経過して、JALは雰囲気が大きく変わりました。官僚体質から抜け出し、ビジネス感覚を持った幹部も育ち、幸運にも当初の予定を大幅に上ブレしています。

 しかし、依然として航空産業は厳しく、ちょっとした景気の後退の波にも呑み込まれてしまいます。慢心することなく。経営体質を強化して全力を尽くしていいきたいと思います。

 そして、アメーバ経営を航空産業にも導入したいと考えています。来年4月から実際に運用できるようにしていきます。

 稲盛氏はまた、500億円の増資を行い、4000億円の資本増強を行うことを検討。さらに、今後は融資再開についても、自ら銀行を回ることも考えているという。稲盛氏の会長在任中に、JALはどこまで変わるか、多くの顧客、関係者が注目している。

(外国特派員協会の講演からの抜粋)

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