サントリーがふるさと大阪へ手切れ金?

ミュージアム返還と7億円は大阪への手切れ金?


サントリーミュージアム
 サントリーホールディングスは2011年はじめ、複合文化施設「サントリーミュージアム天保山」(大阪市港区)を大阪市に譲渡する。所蔵作品付きでの無償譲渡というだけでなく、維持管理費として7億円も寄付するというから太っ腹な話。大阪では感謝の嵐…と想像するが、なんと「ふるさとへの手切れ金だ」(財界幹部)と嫌味をいう向きがある。背景には、東京シフトを強める同社に対する複雑な思いがある。

 サントリーミュージアムは、創業90周年事業として1994年11月3日に開館した。水族館「海遊館」に隣接する市有地に建設。設計は、当時のサントリー会長、佐治敬三氏と親しかった安藤忠雄氏が手がけた。

 モネ、ボナール、ロートレック、ミュシャ、ホックニーなど、近現代美術の収集・展示を行っているほか、20メートル×28メートルのスクリーンをもつ世界最大級の立体映像劇場「アイマックスシアター」がある。

 すばらしい施設だが、年150万人と見込んでいた入場者数は難しく、2008年の実績は65万人だった。最近は年数億円の赤字経営で、今年12月末での休館が決まったのも無理のないことだった。

 もっとも、そもそもの休館方針について、ある80歳代の財界OBはこうぼやく。

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