無一文から中国No.1大富豪になった女性の軌跡

ゴミ女王というネーミングも

 1987年以降、中国の製紙工場を次々と合併。1988年には広東省東莞に自らが100%出資する「東莞中南紙業有限公司」を設立した。その後、張茵氏は1990年に渡米した。

 香港の古紙資源と品質が中国本土の製紙品工場のニーズを満たさないことを知ったからだ。ここで中南有限公司を設立。アメリカで調達した古紙が次々と中国大陸の工場に送られ、良質のクラフト板紙に再加工されていった。

 今やこの中南有限公司は世界最大の製紙原料輸出企業となった。ちなみに彼女はアメリカで“Queen of Trash”つまり「ゴミ(リサイクル)女王」というネーミングでメディアに紹介されたこともある。

 さらに1996年、中国の高級梱包用紙が需要にあっていないことを知った張茵氏はこれを商機ととらえ、東莞玖龍紙業公司を設立し次々に生産規模を拡大。同社の生産規模は年間100万トンを超え、世界有数の包装用紙生産企業の1つとなった。

 わずかな資本金から会社を急成長させた張茵氏だが、家族経営にこだわるのも特徴の一つだ。

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