人類初の宇宙ホテルが5年後に開業? 宇宙開発ビジネス最新事情

20万ドルで気軽に行ける宇宙旅行は来年実現?

 さすがに数十億円の宇宙旅行は手が出ない、そんな富裕層が注目しているのが、もう少し手軽な宇宙旅行、サブオービタル宇宙旅行(弾道飛行)です。スペースシップに乗って高度100キロへ到達し、音速の3~4倍の速さで弾道飛行し、無重力状態を約5分間体験できるというプランで、価格は約20万ドル(約1700万円)。

 昨年、日本初のサラリーマン宇宙旅行者となる稲波紀明さんのインタビュー時に弾道飛行について取り上げましたが(「宇宙旅行を予約してカリブ海へ招待された、32歳の素顔」)、現在の最新事情はどうなっているのでしょうか。

 ヴァージン・ギャラクティック社と提携し、日本で民間宇宙旅行販売を手がけるクラブツーリズムの宇宙旅行クラブ事務局長、浅川恵司さんによると、民間宇宙旅行の弾道飛行はヴァージン・ギャラクティック社が最初になることは確実と予想され、運航開始は早くて来年後半ですが、場合によってはもっと遅くなる可能性もあるそうです。

「ヴァージン・ギャラクティック社以外にも、弾道飛行の商業化に取り組むライバル会社は多くあります。しかし、最大のライバルと目されていた米ロケットプレーン・グローバル社は資金繰りに行き詰まり、倒産。米エックスコア・エアロスペース社のスペースシップは高度60キロまでしか上昇できないため(価格は95000ドル)、本格的宇宙旅行とは言いにくい面があります。」(浅川さん)

 このほか、米テキサス州を拠点とするアルマジロ・エアロスペース社、Amazon.comのジェフ・ベゾスCEOが設立したブルー・オリジン社も弾道飛行を目指していますが、まだ具体化していないようです。


ヴァージン・ギャラクティック社のリチャード・ブランソン会長

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