『開成番長』が語るギャンブル漬け人生【2】  

休み時間と放課後はギャンブルの時間

 目標を掲げたのはいいのですが、中2になるとクラスで、花札やトランプが流行り始めます。中1のころの遊びといえば、中庭で走り回ったり、将棋や自分たちで作ったゲームをノートに書いて遊ぶなど可愛いものでしたが、中2になると花札とかエロ本とかクラスで回るようになって。これで自分の中にあったギャンブラーの素質が目覚めてしまったんです。そのうち休み時間や放課後はすっかりギャンブルの時間になっていました。

 ギャンブルにのめり込みつつも成績はキープしていて、成績は中1より中2の方がよかった。中2になって独自の勉強法を確立したことが大きかったんです。優等賞を目標に掲げただけあって、当時は勉強に対して「得点マニア」的なところがあって、試験で点数を取るのが無性に楽しいと感じていました。定期テストでいい点数を取るための作戦をいろいろと考えていたわけです。

 とはいえ、毎日ずっと勉強だけしている「ガリ勉」ではなく、僕の場合、休み時間や放課後はギャンブルに明け暮れても、授業中と試験前だけはカチッと切り替えてやる方法で勉強をしていました。復習も回数を減らせるように極限まで効率化。試験前一点集中の勉強法ですが、このとき編み出した方法の一部は「開成番長の勉強術」でも紹介しています。その一方で、先生バレないように悪知恵を働かせて、次第にギャンブルはエスカレートしていきました。

 中2の終わりには目標だった「優等賞」を受賞。中3ではさらに上の「特別優等賞」を取ってやろうという目標を掲げていました。その一方で相変わらずのギャンブル三昧。より振れ幅が大きくなったというべきでしょうか。校内賭博の元締めが、学年で5人程度しか受賞できない「特別優等賞」を狙っているわけで、このころにはすでに生徒の間でもかなり有名な存在になっていました。

 「優等賞」から「特別優等賞」にするには、中2で確立した勉強法を加速させればいいと考えました。今思えば、このころが記憶力や集中力が人生の中で一番ピークだったんでしょうね。記憶のピークって一般的には20歳といわれていますが、僕の場合はもっと早かったのかもしれません。

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