余裕のスペースで洗練されたサービスを味わう
シルバー・スピリット
「シルバー・スピリット」の純白の船体が、スペインのバルセロナ港から処女航海に旅立ったのは2009年12月のこと。世界最高峰のクルーズ、シルバーシー社が満を持して世に送り出した、最新鋭豪華クルーズシップだ。総トン数は3万6000トン。乗客定員は最大540名。その乗客の多くが世界中から集まったセレブ達。欧米人を中心に20カ国以上から集まり、日本からの参加者もカップルや親子、あるいは女性一人の利用などもあって、徐々に増えているという。
一見、大型客船に見えるが、乗客定員が5400名のメガシップも存在する今となっては、同船は小型船に属する。日本での代理店業務を務めるインターナショナル・クルーズ・マーケティングの中川節子代表は「ただし、乗客一人当たりのスペース率は世界最高レベルの67トンを誇っている。船体が小さい以上に乗客定員が少ないからこそ、クルーによる洗練されたサービスが細部にまで行きわたる」と述べる。大型旅館と比較した、離れが数室しかない旅館のサービスの良さにも通じるだろう。しかも客室の95%以上がプライベート・ベランダ付きのスイートというのも、客船として画期的な試みだ。