『開成番長』が語るギャンブル漬け人生【3】(東大生スロプロ編)


東大安田講堂
 東京都杉並区にある個別指導塾TESTEA塾長の繁田和貴氏は、東大を目指す 「男子御三家」のひとつ開成中学・高校から東大へ進学というエリートコースを歩む一方で、ギャンブル漬けの生活を送り、開成の異端児『開成番長』として名を馳せた破天荒な人物でした。

 「開成番長の勉強術」「開成番長の記憶術」(共に白夜書房)などの著書があり、若きカリスマ講師として受験界で注目を浴びる繁田氏に、波乱万丈な人生や教育論などについて伺いました。

浪人時代~最後の3カ月まで雀荘通い

 浪人しても心機一転とはいきませんでした。何の因果か、通っていた予備校があった御茶ノ水駅前に雀荘が新規オープンしてしまい、すっかり入り浸ることになります。こんな状態で成績が伸びるはずもなく、秋になっても模試の成績はE判定。焦りつつも雀荘通いは止められない、まさにギャンブルにハマった状態です。12月を迎えてもこんな状況が続いていました。

 人間は目標の先に目的やメリットがないと真の力は発揮できないものです。東大に合格することは、当時の僕にとっては漠然とした目標でしかなく、「合格したあとに何するのか?」という目的や、「合格したら何を得られるのか?」という明確なメリットがなかったんです。だから勉強にも身が入らなかったのですが、ここで登場したのが大好きな女の子でした。彼女は高校時代に塾が一緒だった女の子で、すでに大学生でした。東大に合格したら彼女と付き合う約束を交わすことに成功したんです。目標の先に明確なメリットができた瞬間でした。

 そうなると心機一転、その日から勉強モードに突入しました。もし彼女がいなかったら東大合格は無理でしたね。諦めて私立に行っていたと思います。とはいえやる気になったのはいいが、この時点で入試までは3カ月。無理云々とは言っていられない状態で、とにかく勉強法を効率化して取り組むべく、合格するための作戦を真剣に考えました。

 このときの勉強法は、勉強量に対して得点の見返りがなるべく大きくなるように、伸びしろのある教科に重点的に取り組むという方法でした。僕の場合、それは国語でした。

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