配点の大きい国語に賭けるしかない
国語はもともと苦手意識があり、中学受験でもセンスのなさに頭を悩ませたものです。しかし、小6時の夏期講習で国語の問題集が課され、つらい思いをしながらも毎日少しずつ取り組み問題集をやり遂げた結果、夏を超えたころには読解力と記述力が見違えるほど上がったのです。この経験から、浪人時代の3カ月間での逆転合格に賭けるなら、一番伸びしろがある国語しかないと判断しました。
国語に注力した分、結局入試までに世界史が間に合わず、世界史は60点中5点ほどだったと思います。それでもなんとか合格できたのは、教科を絞ったことが結果的に吉と出たからでした。それまで毎回の模試などでは平均点に遠くおよばない国語でしたが、問題を解き込んだことで採点者が求める答案の書き方が「体に染みついた」のでしょう。一問の配点が大きい国語を克服した見返りは絶大でした。国語という教科の性質に賭けて、短期間で効果を出したわけです。
とても心臓に悪い方法でしたが、自分の特性「追い込まれたときに最高の力を発揮する」というのもプラスに働いたと思います。まあこの特性は、悪く言えば「追い込まれないと何もできない」とも言えます。いずれにせよ、明確な目的意識がなければ、勉強の起爆スイッチに火はつかなかったと思います。どんなものでもいいので僕のように「付き合いたい子がいる」でもいいんです。大切なのは目標の先にしっかりと具体的な目的やメリットを思い描くようにすることです。
うちの塾の理念のひとつ「目的に向かい、目標を立てて頑張る力を育てる」は、そんな自分の経験から立てたものです。僕の場合はかなり無茶苦茶なケースなのであまり参考にはならないかもしれませんが、目的をしっかりと思い描き、その上で目標を立てて取り組むことの大切さを指導する中でも意識しています。