実際に資産価値のある・価値の落ちない物件は?
億ションといえば上物が豪勢で、オーダーメイドの要求に応えてくるのは当然だが、長谷川氏は「差別化する点があるとすれば、『外観の重厚感』『エントランスホールの印象』。室内の仕様の高級感はもちろんだが、後から変更がきかないものとして『天井高』が大事」と語る。
さらに、都市未来総合研究所の浦上健副主任研究員は、「中古物件なら狙い目は2002~2003年の景気停滞期に売り出された物件。あの不景気に〝億〟で売り出したのは本当に資産価値がある証拠。また、避けた方が無難なのは2007~2008年のミニバブル期の物件では、当たり外れがある場合もあるので、慎重に見極める必要がある」と語る。
また、他にも複数の不動産関係者に「資産価値の高い・価値の落ちない億ション」を聞いたところ、良い中古物件として意見が一致したのは、竣工が1987年と古いにもかかわらず「広尾ガーデンヒルズ」。立地とメインテナンスの良さや街並みの美しさ、確立されたステータスが評価されているようだ。「都心の大規模敷地の億ションとして象徴的な物件」(浦上氏)。
また、利便性や街のイメージの良さから「代官山アドレス」「青山パークタワー」「元麻布ヒルズ」「パークマンション千鳥ヶ淵」「ザ・ハウス南麻布」の評価が高かった。ただし、中古の億ションは市場に出回る件数が限られるため、人気物件はすぐ売れてしまうことが多いという。
新築物件で人気が集まったのは、大手デベロッパーが販売する物件を中心に、以下の9物件となった。
パークコート赤坂 ザ タワー(三井不動産)
パークハウス一番町(三菱地所)
・パークコート麻布十番 ザ タワー(三井不動産)
プラウド代官山(野村不動産)
THE ROPPONGI TOKYO(三井不動産)
パークハウス麹町プレイス(三菱地所)
パークマンション三田日向坂(三井不動産)
平河町森タワーレジデンス(森ビル)
センチュリーフォレスト(鹿島)