AKB48卒業翌日に社長になった川崎希さん(前篇)

 AKB48の1期生としてオープニングステージにも立った川崎希さん(23)。現在はAKBを卒業、社長として自らのアパレルブランドを設立し、もうすぐ2年に。著書「『AKB48』卒業翌日に40万円で起業しました。アイドル社長・川崎希」も発売し、これまでの道のりを振り返った。そして将来の夢を「株式上場できれば」と語った。

決心

 2005年12月8日、東京・秋葉原のAKB48劇場。

 今となっては伝説として語り継がれるAKB48の初ステージの日。観客はわずか7人(関係者をのぞく)という今では信じられないような、秋葉原のAKB48劇場の光景。そのステージに初期チームAメンバーの川崎希さんは立っていた。

 現在も所属していれば、国民的アイドルの一員として、毎日のようにみなさんも目にしていたかもしれない。だが、その座を迷いもなくアッサリと捨てた。


川崎希さん
 「高校生くらいの時から貿易会社の社長になりたいと思っていたんですけど、その時にビビッと来たっていうか、会社をやりたいと。(当時所属していた事務所の)社長からも『アパレル会社を立ち上げるより、デザイナーとアイドルで両立したら』ということも言われましたけど、強く思い始めると両方なんてわたしには無理だし、社長になるという夢を実現したいと思うと止められなくって」

 同僚で仲良しの佐藤由加理さん(現SDN48)にも話したが「やめちゃうの」と驚かれたそうだ。2008年の暮れの押し迫った時期だった。占いによると、川崎さんが新しい物事をスタートさせるのは3月1日がベスト、となっていたそうだ。起業までの時間は、あと、丸2カ月しかなかった。

 しかも、2008年はリーマンショックで世の中は大不況。川崎さんは当時21歳。手元には40万円しかない。一大決心だった。

1 2 3 4
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる