元マイクロソフト幹部が創設した”room to read”
-WFPの他にはどんなチャリティー活動を?
「NPO法人”room to read”の活動もしています。開発途上国の子供たちに本を送ったり、現地に図書館を建設したり、現地語で本を訳して教材を作ったりする団体です。ここは数年前まで元マイクロソフト幹部社員だった、ジョン・ウッドさんが創立した団体です。それまでお金も地位もあって、何不自由なく暮らしていた方。でも、ある時疲れてふっと旅に出たそうなんです。その旅でネパールを訪れた時、地元の小学校や図書館にほとんど本がないという状況に出会って。それをきっかけに、開発途上国の子供たちに本を贈る活動をすると、彼が決めて立ち上げました。」
-開発途上国はザンビア以外にも訪れていますか?
「あとはテレビ東京の『知花くららの地球サポーター』という番組で、アフリカのウガンダ、ベトナム、カンボジア、タイなど年に3~4カ国の開発途上国に行きます。ODA(政府開発援助)の現地での活動内容や青年海外協力隊の活動をレポートするのですが、そこで見聞きするのは、いかに子供たちは勉強をしたがっているのにできないか、地域でどんなものが足りないのか。私にとって、そこで目の当たりにするものは経験としてすごく大きいです。その経験は、私が帰国して様々な場でスピーチすることで、皆さんにフィードバックしていくことができます。私が言葉を発することで、たくさんの人に色々なことを考えてもらえるきっかけになれば嬉しいですね。」
オークションディナーで驚いたこと
-日本の富裕層の社会貢献に対する認識は海外に比べて遅れていると思いますが、それについてはどうお考えですか?
「チャリティーのムーブメントが起こったのは、欧米の方がずっと日本より先なので、それは仕方ないと思います。欧米では、チャリティー活動が一種のファッションやステイタスのようにセレブの間で広まっていますよね。日本はまだまだこれからなんじゃないでしょうか?
実は先日、ちょっと残念なことがありました。日本で、あるオークションディナーに参加して、オークションのプレゼンターを務めさせていただいた時のことです。1人5万円のオークションディナーで、集まっているのは裕福な方たちばかり。なのに、オークションで全然手が挙がらなかったんです。出品されたものは、一番高いのが70~80万円くらいで、一番下が約2万5千円。この2万5千円で、1人の女の子の1年間の教育費や生活費が賄えるんです。でも、それすら手が挙がらなくて。5万円のディナーに出席しているのに、なんで最低金額のものにも手を挙げてくれないんだろう?と、すごく疑問でした。」
-それはちょっと驚きですね。
「私はわくわくして参加したので、正直残念でしたね。日本の方は、自分と世界のそういう状況との繋がりの認識が薄いのかもしれません。関心がないというか。」