アラン・デュカス氏が選んだシャトー・ホテルに泊まる

シャトーに滞在しながらワイナリー巡りを楽しむ

 この他にも、ヨーロッパを中心に各国で展開するシャトー・ホテルのグループはあります。例えば、高級ホテルと三ツ星レストランを多く抱える「ルレ・エ・シャトー」。5大陸、56の国と地域の約480軒のホテルとレストランが加入する協会です。フランスを中心にヨーロッパに特に多くあり、中世のロマンチックな古城、田舎の素朴なオーベルジュ、山裾のシャレー、野生動物保護区にあるロッジなど、それぞれ独特な個性があります。
 ルレ・エ・シャトーの価値基準は厳しく、5Cで表されます。質の高いもてなしと心遣い(courtesy)、洗練された外観・内観(charm)、城でも修道院でもそれぞれが独自の魅力がある(character)、静寂な空間(calm)、最も高いスタンダードに見合うグルメの殿堂(cuisine)。加盟レストランのミシュランの星の数の合計は300を超えていると言います。

 また、わずか10軒のハイレベルなシャトー・ホテルを集めた「グランド・ゼタップ・フランセーズ」も有名です。加盟ホテルの1つ、ブルゴーニュ地方の「ル・シャトー・ド・ジリー」は6世紀に修道院として使用され、11世紀には修道士の住居だった古城。建物は古いですが、城内は手入れが行き届いていて快適です。レストランに揃うブルゴーニュワインの種類も豊富。グラン・クリュ街道と呼ばれるワイン産地を結ぶルートに近く、ロマネ・コンティなど有名ワイナリーを巡ることもできます。

 日本とは異なり、今もなお古城が多く残るフランス。中世から残る伝統と現代の文化が上手く融合したシャトー・ホテルは、フランスの地方文化を贅沢に味わうための秘密の隠れ家です。慌しい日常を離れて、たまにはゆったりとシャトーに滞在しながらワイナリーを巡るのも、大人の旅の楽しみ方の1つ。将来シャトーの購入を考えている方も、まずは気軽にシャトー・ホテルを訪れるところから始めてみてはいかがでしょうか?


ロワール地方、シャトー・ド・プレの客室

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