究極の節税法「パーマネントトラベラー」

日本の非居住者になって節税

 PTとは元々、高額の税金に苦しんでいた欧米の富裕層が実施していた。大まかに言えば、滞在日数がその国の税法上「居住者」になる前に転々と別の国に引っ越す。つまり、どこの国にも定住せず、一生、旅行者という身分であり続けるというライフスタイルのことだ。

 PTの概念は、1964年にハリー・D・シュルツ氏が発表。その内容はセカンドパスポートを持ち、資産を自国外の安全な場所に置くことというものだった。さらに1989年にW.G.ヒル氏がPTを実践し「PT」という著書にまとめ、ここでほぼ現在の理論が固まったと言われている。

 「どこの国でも、消費税、固定資産税、ホテル税、印紙税などの間接税がありますから、いくらタックス・ヘイブン国に居住してもこれらの税金は払わざるをえません。税金をまったく払わないということは難しいと思いますが、日本に居住するよりは納税額をかなり少なくすることは十分可能でしょう。国籍が日本国の場合は、日本の非居住者になれば所得税の部分でかなりの節税が可能です。さらに居住国をタックス・ヘイブン国にすればさらにかなりの節税は可能です」と木村氏。

 もちろん、すべての税金から逃れることは無理だが、大きな節税効果はある。日本で居住する限りは国内外すべての収入に対して税金がかかる。では、PTとして、日本の非居住者になれば?

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