究極の節税法「パーマネントトラベラー」

市民権を取るか否か

 日本に滞在する期間を1年未満とするためには、他国に滞在するためのビザが必要になる。ただビザ取得において、陥りやすい注意点を見ておく必要がある。観光ビザは通常90日以内となっているが、なかなか腰を落ち着けて滞在することができないために永住権の取得を考える人もいるが、永久にその国に滞在する権利を得ることができる反面、その国の義務を負うことになる。つまり、納税や徴兵などに注意が必要だ。

 また永住権を取得して一定期間が過ぎると、市民権を取得する資格が与えられる。これは、その国のパスポートを取得できるという意味ながら、と同時に日本国籍を失うことでもある。もちろん、実際にその国を気に入れば話は別だ。

 木村氏は「国籍を変えることなく居住地を変えることで、様々なリスク分散を可能にするライフスタイルです。ですから、移住のように一旦他国に移って何が何でもその国で旗を揚げる必要はなく、状況に応じて日本に戻ることもできるわけです。PTのいいところはデメリットが発生したら、それを柔軟に解決することが可能なことでしょう」と話す。

 PTは落ち着いて滞在はしにくいかもしれないが、その代りに自由に移動できる。その身軽さが節税と同じく最大の魅力となる。

 PTを実行するにおいて、他にも注意すべき事柄はある。つまり、税務当局との間での節税スキームを否定される人も出てきている。日本国内でも大きく報道され、話題になった事件もいくつかある。次回は、なぜ法に触れたのかを考えてみたい。(つづく)

1 2 3 4
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる