震災2日で1億円稼いだ投資家の苦悩

 日本の災害市場でも例がないほどの地震・東日本大震災は容赦なく様々なものを奪っていった。それはマーケットでも完膚なきまでに多くの投資家を再起不能にした。その一方で、震災の恩恵を受けたオプショントレーダーのAC後屋さんは、2日間で1億円600万円の利益を得た。「勝った投資家には義務がある」と日ごろから考えるAC後屋さんが、寄付、さらには市場のあるべき姿を語った。

3・11のブラックスワン


AC後屋さんの振込書類
 「震災でたまたま儲かったことは事実です。でも、勝者だからこそ表に出て語らなければならない責務があるように思ったからです」

 専業オプショントレーダーのAC後屋(えしごや)さんは話す。震災からわずか2日間で結果的にあげた利益は1億600万円だった。

 オプション取引とは、特定の金融商品を決められた期日に決められた価格で売り渡す「権利」を売買するもの。いくつか取っていたポジションの中で、大当たりのものがあり、こうした結果となった。しかし、そこには勝者にしかわからない苦悩というものが存在するのだ。

 多くの投資家に追証が降りかかった。わずか2日で1億円超の利益が出たということは、その影にそれだけ多くの敗者がいるということなのだ。それが市場というものだから。

 もちろん、それ以前に「これだけ多くの方々が亡くなられたのですから…」と精いっぱい言葉を紡いでいくAC後屋さん。今、言わなければならないと考えていることを語ってくれた。

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