証券会社みずから市場を「否定」
この大震災で、オプションは最も被害が大きかったマーケットでもある。追証が発生した投資家も多く、中には資金を回収できずにオプションから撤退する証券会社も出たほどだ。投資家、証券会社が深いダメージを負っていたのだ。
「ロスカット口座を導入した会社もありましたが、流動性が少ない市場ではそもそも通用しないんです。また、売りを禁止した証券会社もありますが、それではトレードになりません」
こうなれば、本来はプロである証券会社が市場というインフラを正しく理解しているのかどうか疑問さえ出てくる。異常な相場では、不幸は突然やってくるのだ。そして、多くの個人投資家が犠牲となり、その煽りを証券会社も受けた。もう少し、どうにかならなかったのだろうか?
「せめて、顧客のその時の預かり資産に応じたサイズのポジションを建てられ
るようなシステムにするとかしないと、通常の市場でない時には、これからも多くの投資家が犠牲になってしまいます」
ただ、われわれ投資家も学ぶ必要はある。証券会社や市場環境ばかりのせいにしていては、一生勝てる投資家にはなれないだろう。
AC後屋さんは「3月11日の時点で、東京でも大きな揺れを感じたはずですし、TVで津波の映像も見たはずです。どのような状況か理解できるはずですし、逃げるチャンスはあったはずです。14日でもまだ逃げ場はあったのに、ヘッジなしで、しかも耐えれば助かると思っていては、そうなっても仕方がありません」と話した。
次の天変地異はいつ起きるのかわからない。しかし、こうした心がけは常に持っておかなくてはならない。