究極の節税法「パーマネントトラベラー」(2)

「PT」が認められずに追徴課税1330億円

 昨年2008年の1月23日、東京高裁の法廷では、後に大きな意味を持つことになるであろう判決が言い渡されていた。日本においての個人資産としては、ケタはずれの追徴課税1330億円という金額が争われた案件。原告は国、被告は武富士の武井俊樹氏。なぜ大きな意味を持つかと言えば、“パーマネントトラベラー”(以下PT)を完璧に実行していたかに見えた被告の俊樹氏に厳しい判決が突きつけられたからだ。

 まず、少しだけ事件の概要と経緯を振り返っておく。この訴訟は、故・武井保雄元会長が所有する武富士株を実質支配するオランダの会社に移転。同社の発行済み株式の約9割を贈与された俊樹氏が、時価約1650億円相当の武富士株を相続したが贈与を申告していなかった。贈与を受ける前後の約3年半、65%以上を香港で生活しており、事実上の生活拠点となる住所が日本国内にあったかどうかが最大の争点となった。

 柳田幸三裁判長は「このような状況では、滞在日数のみで住所を判断すべきではない」との判断を示した。日本国内での滞在日数は1年未満。ただ、司法はそれを絶対的な判断材料とはしなかった。

 現在、この件は武井氏が上告中のために、最終的な結論は司法判断を待たなければならない。ただし、これからPTを考えている人にとっては大いに教訓を含んでおり、振り返ってもう一度考えてみたい。

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