大荒れの関電株主総会、ヤジ、怒号、セクハラ…

初出席の平松市長「関電の見解を尊重」

 「質問に答えていないぞ!」と怒声が飛ぶ。すると「お前ら電気、使わへんのか? ローソクで生活しとるんか!」と今度は擁護派の株主から反撃の野次。

 議長の森詳介会長は普段温和な性格で知られているが、3分の制限時間をオーバーした質問者が出ると、「マイクを取り上げてください!」と会場にいる社員に命じ、別人格のようだ。こうした議事進行の手法も攻撃の対象になる。「セクハラまがいの野次も飛んでいるのに、議長はなぜ止めない」などと女性株主から議長解任の動議が飛び出した。

 森会長は「遺憾ではありますが…」とこの動議を渋々採決。否決されたものの、思わぬハプニングに会場では失笑も漏れていた。

 総会には同社の筆頭株主である大阪市を代表し、平松邦夫市長が出席した。初のことで話題になった。市長は代替エネルギーの模索をするよう提案したが、取締役19人の選任など会社側提案の4議案については「関電の経営陣の見解を尊重する」と拍子抜けのコメント。平松市長が総会に出ることは、前日から大々的に報道されていた。「今秋の市長選をにらんで、宣伝のために出席しただけか」と悪口をいう声も聞こえた。

 「15%の節電要請をするなら、役員の報酬も15%カットしろ」「大規模停電が起こって、損害が発生したとき、誰が責任を持つのか」「暴落している株価はいつ回復するのか」

 反原発ならずとも、株主としては気になる質問もあったが、結局、いずれの質問も一蹴されるか、あるいは株主が納得するような説明はなかった。

 もめにもめた総会だったが、「八木誠社長の解任」や「放射能の処理ができない原発はやめる」などの株主提案の17議案は、いずれも否決。一方、会社側提案の4議案はすべて可決された。

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