中国長者番付ができるまで

ブタ殺しランキング発表の裏?

 「たぶん2002年のことだったと思います。私と助手が夜に作業をしていたところ、突然4人の男が入ってきて、ある経営者について掲載しないよう求めたのです。語気も荒くとても怖かったですが妥協はしませんでした」と笑う。こうした脅し、電話などで掲載しないよう求める起業家はさらに多かった。

 こうして作られたランキングは、世間の注目を集めたが、世間では“富豪ランキング”のはずがいつしか“殺豚ランキング(富豪殺しランキング)”と密かに呼ばれるようになっていた。ランキングに登場した富豪が次々と汚職や賄賂、詐欺など何かしらのスキャンダルを起こして「問題富豪」に転落したからだ。

 その数は過去12年間で24人に。フージワーフ氏は1882人のうちの24人は全体の1.3%と主張するが、中国で富豪と犯罪は切り離せない問題かもしれない。だが、そんな声を元に昨年、本当に“ブタ殺しランキング”を発表した。ちなみに栄光ある1位にランキングしたのは1年に2500万頭の豚を殺した南京の人だった。

 フージワーフ氏は、中国の経営者について「女性のパワーはすごい」と感嘆する。実際、世界の女性富豪ランキングのうち1~3位まで中国人。さらに20位までに11人ランクインしている。中国女性富豪が多く生まれる理由について「まず、中国では職業上は男女が平等なこと。次に大多数の女性は子供を一人しか出産しないので、仕事を離れている時間があまり長くないこと」と分析している。

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