究極の節税法「パーマネントトラベラー」(4)

世間はPTをこう見ている

 前回、5つのフラッグ(国)という概念を紹介した。これは、目的に応じて一定の期間内に納税義務が生じずに「非居住者」となるように目的別に応じて、各国を飛び回るという考え方だ。ただし、世間は自分ひとりで生きているわけではない。こうした行動が傍からはどう見られているのだろうか。やはり恩恵を受けていることには違いなく、なにかしらの恩返しは考えた方がいいのかもしれない。

 「PTは元々ヨーロッパの富裕層が試行錯誤で考え出した概念ですが、私は、1980年代以降、欧米で発行されている書物やレポートを読みながら研究を続けていました。そのPTの完成形が5つのフラッグ理論(Five Flags Theory)であったわけですが、欧米の文献を読んでいても、ただ政府から逃れろとか、目立たなくして当局から逃れようなどといった金の亡者のイメージしか沸いてこなかったのです。しかし、このようにして姑息に自分だけ要領よく世界を渡ったとしても世間一般からは全く評価されないのでは、とずっと思っていたのです。PTの発想自体は非常に面白いのですが、自分さえ良ければいい自己中心的スキームに過ぎないとも思ってしまったのです」

 そこで木村氏はPTを長年研究してきた中で、6つ目のフラッグを設定した。この6つ目こそが社会貢献をする国という位置づけになる。

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