切手収集とは、広く知られた趣味のジャンルだが、近年は若年層の収集家人口は減少しているという。だが、実は医師、弁護士、大学教授ら知識階層が愛する趣味で、相当な大金をつぎ込む人もいるのがこのジャンル。上級者では数億円つぎ込んだという人も少なくはない。今回は、約1億円分収集したという男性を直撃することに成功した。普通の趣味とは一線を画す世界に、足を踏み入れてみた。
200万枚以上で1億円
「切手で1億円」
待ち合わせ場所に現れたのは、関東地方の公務員男性のAさん(54)。普通の外見からはもちろん、そんなことは想像できないのだが、切手のコレクター界では一目置かれている人物だという。
「わたしなどは、まだ大したことはないですよ」と、謙遜して笑う。枚数にして200万枚以上、紙付きの物も7万枚はあるそうで、金額にして9000万円を優に超え、約1億円にも上るのだという。コレクター歴は40年以上になる。
金額もさることながら、切手収集にこれまでの人生の大半の時間を費やしてきたという点にも興味を引かれる。「趣味道」を見せてもらうことにした。