大富豪子弟の「貧乏旅行」に隠された野望

試練を乗り切った後はファーストクラス

 もう一人の例を紹介する。女性BさんはもともとSLTにあまり乗り気でなかった。大富豪の家に生まれ、自分が一生働かなくても裕福な生活ができることをわかっていた。しかし、両親の希望で、他の資産家の子供も参加するということを知ってSLTに参加する事になった。

 二週間何とか乗り切った。そしてSLTを終えるとすぐにファーストクラスに乗り、パリで家族と合流し、両親から試練を乗り切ったご褒美を買ってもらった。この体験を振り返り「友達とずっと一緒だったことが一番楽しかった、そしてパリで両親の機嫌がよく多くの高級品をご褒美として買ってもらったことがよかった、これならまた二週間我慢してもいいかも」と語った。

 子供たちの順応力は素晴らしく一旦ツアーが始まると何とかこの日程をこなす。しかし自分から純粋な気持ちで「これに行っていろいろな世界を見たい、体験したい」という資産家の子供はごくまれである。

 そして多くはSLTが終わると、自分の住む世界とSLTで体験した世界が、同じこの地球上にあることを深く考える事はない。また、自己満足と富や物質を十分に持たない国や人々への優越感を蓄積する結果となっていることもある。ここでも「親の心、子知らず」とはよく言ったものだ。

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