「日立－三菱重工統合」日経1面報道それぞれの事情

怒りの三菱重工

　4日の午前中に三菱重工は次のような公式コメントを発表した。

　「当社と株式会社日立製作所との統合に関して、一部報道がありましたが、これは当社の発表に基づくものではありません」といつものテンプレ対応だった。さらに「また、報道された統合について、当社が決定した事実もありませんし、合意する予定もありません」と、未来永劫ないという固い意思を表明している。

　それでも足りないのか、その日の午後にしつこく「このような報道については、断固抗議してまいります」というダメを押す発表文も出す始末だった。

　「こんなに怒りに満ちあふれた公式コメントを今まで見たことがない」とは全国紙のベテラン記者。

　さらに、三菱の大宮社長は全国紙各紙の個別取材にも応じて、統合の事実を否定している。

　時々、報道がきっかけで話が潰れてしまうこともあるが、そこはどうなのか。担当記者は「それはないと思います。協議自体はあったようですが、体質的なもので、誇り高き三菱グループの人たちが、吸収される合併に応じることはありませんよ」と話す。