私はこうして「青山霊園」の抽選に当たった(上)

東京に住んでないとダメ


青山霊園の空撮(92年、東京都公園審議会より)
 「普通に家を買うにしても、超が付く高級住宅地の南青山2丁目、3丁目(青山霊園の住所)ですから。そこにお墓を建てるということを考えてみてくださいよ」(業者)

 ちなみに、周辺を散歩していた南青山3丁目に住むという老人に話を聞いてみたが、墓は別のところにあるのだという。南青山という高級住宅地に長年住むことができるような資産家とおぼわしき人でも、「当たるもんじゃないから」と一笑に付したほどだ。

 まさに、お金では買えない権利だと言える。だからこそ、絶対に欲しいという思いがわき上がるのか、珍質問が業者に寄せられる。

 「裏口入学」については前記したが、東京都内に住んでいない人からも問い合わせがあるそうだ。応募資格の一つに東京都内に5年以上在住というルールがあるため、これは論外だ。また、家族が誰も亡くなっていない人からの電話があったそうだが、これも論外だ。

 青山霊園の募集再開にあたっての空いている場所は1325カ所(03年度)。毎年40人前後の当選者がいるということから考えると、やはり数に限りがある。つまり、あと40年以内に指定席はなくなる。

 まさに「お受験」だが、今後の応募を考える人のために、少し供給事情も見ておく。

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