パナ本社の『田舎者』に世界でビジネスは無理

なぜ買収相手から学ぼうとしない?


 三洋の携帯電話を2008年4月に買収した京セラの場合、米国では、知名度の高い「SANYO」ブランドを活用してきた。「買収ブランドをしばらく活用し、流通ノウハウを吸収するというのは当然の戦略」(パナ社員)なのに、パナはなぜか、SANYOを活用しようとしない。

 ハイアールへの家電事業売却は、2300人の社員と700億円の売上高を100億円で売却したというだけではない。三洋の先端的な家電技術や販売ルートを敵に渡してしまうことになる。そこまでして、パナ本社はなぜブランド統一を急ぐのか。

 「買収相手から学ぼうとしないのは、田舎者のばかなプライド」と、40代のパナ社員は自嘲気味にいう。

 海外の現場で競争しているパナ社員にとって、「『SANYO』ブランドを上手につかってほしい」というのは本音であり、「すべてをいきなり『Panasonic』に統一するのは愚の骨頂」と見る。

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