トーマツ早期退職募集に30代会計士600人殺到

「先生、ゴルフ行きましょう」はもう昔

 「B+評価の優秀な30代後半の会計士が、早々に手を上げて驚いた。理由をきくと、『昨年、新日本の友人があっさりと新しい道を見つけたので、意を強くして退職する道を選んだ』と話した」という。

 公認会計士試験といえば、司法試験に並ぶ難関テスト。このトーマツ幹部が若かった時代、「夢は早く試験に合格して大手監査法人に入り、最終試験にも早く受かり、パートナーにのぼり詰めること」だった。


 担当の事業会社からは「先生、先生」とちやほやされ、幹部になれば「仕事はゴルフ」とも言われた。

 だが2006年、カネボウの粉飾決算で中央青山が業務停止に追い込まれると、若い世代の見方が変わった。「若いうちはしんどいばかり。事業会社の悪事を見つけられなかったら、一蓮托生。リスクが高い仕事」(あずさの社員)というイメージに。

 また、監査しかできない会計士は、案外、つぶしがきかない。あるヘッドハンターはこう話す。

 「監査法人の先生たちは、実務ができない。SAP(エスエーピー)などの会計システムも使えない。難しい試験に合格する勤勉さだけがウリ。若いうちならポテンシャル採用もあるけれど…」

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