巨人愛のクーデター「清武の乱」は失敗か

大の巨人ファン

 まずは「清武の乱」を起こした、清武英利氏という人物を見ておかなくてはならないだろう。巨人のキャンプ地としても有名な宮崎県生まれで、立命館大学を卒業後に読売新聞社に入社した。

 社会部畑を歩み、山一証券の経営破綻をスクープするなど大きな実績を残す有能な記者であった。社内では必ずしも出世コースとは言えない運動部の部長に就任。「巨人ファンということもあったので、まんざらではなかったのでは」(読売関係者)と言われる。そして、2004年から巨人球団代表に就任。本人にとっては願ったりかなったりではないだろうか。

 故・木村拓也コーチは同じ高校の後輩にあたり、亡くなった際には人目もはばからずに涙を流していたことは知られている。また、一方で巨人担当記者に対しては、気に入らない記事が載ったり、嫌な質問を受けると記者に恫喝したり、マスコミには常に目を光らせていたという。

 ただ、05、06年こそBクラスに低迷したが、07~09年までリーグ制覇。09年には日本一に輝くなど功績を残した。だが、10、11年と補強に失敗しV逸。追いつめられた立場にあったであろうことは想像できる。

 「オーナーでもないナベツネこと、渡辺恒雄氏が人事に口出しをするということで、反ナベツネのようなファンの世論を喚起できると考えていたのではないでしょうか。ただ、厳しいと言わざるを得ないでしょう」(スポーツ紙デスク)

 すぐに桃井オーナーも反論し、完全にハシゴを外されてしまった。

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる