大阪の市長、府知事のW選挙が27日に投開票され、「大阪都構想」を掲げる地域政党「大阪維新の会」が、両選挙を制した。市長選は、維新の会代表で前府知事の橋下徹氏(42)が、知事選は維新の会の幹事長、松井一郎氏(47)が当選。あまりの圧勝ぶりに、橋下氏から「敵」と名指しされてきた大阪市役所と関西電力の関係者は、呆然とするしかなかった。
リストラの覚悟を決めている大阪市職員
大阪市役所
こう話すのは、市の組織に勤務するある30代職員。橋下氏は知事時代、府職員の給与削減を行なったから、「市職員の給与減はかならずあると、覚悟を決めている」とも話す。ただ、当選確実が報じられた直後の記者会見をテレビで見て、「さすがにげんなりした」という。
橋下氏は「府、市、教育委員会の行政組織は、選挙の結果を重く見るように。政治を軽く見ている市職員がいるのははっきりしている。選挙で選ばれた者に対する配慮が、市役所には欠けている。政治に踏み込みすぎる職員がいる」と声を荒げた。
「真っ先に行政職員を震え上がらせる姿は、独裁者にしか見えなかった」
もっとも、「府と市は、いつもぶつかってきた。二重行政の問題を、維新の会が変えられるというのなら、やってほしいという思いもある」と打ち明ける。
一方、大阪市が大株主である関西電力。橋下氏は関電に対し、大株主として脱原発を求めていくと宣言し、「いまの関電は敵」と言い切っている。