定額給付金は紙を破り捨てた
「夕食の時に定額給付金の書類を見つけた。だから、ビリッと破ってやった。孫が見てる前だったから、爺は、孫の教育だと思ってやったわけよ」
これから家族団らんが始まろうという、その瞬間に用紙を「ビリッ」。前回2月に掲載したインタビューでも定額給付金について「富裕層はもらうべきではない」とする論を主張していた。それを有言実行した形だ。
「あんまり国家を頼るなよ。民でやれることは民でやれよって。おいしそうだと思って行くと針がある。別にあんな物もらわんでも、景気には十分貢献しとるつもりでな。だから、もらわん。でも、そんなに欲しい物がないで、もっと真心のこもった物を作ってもらいたいな」
竹田氏は1997年当時、個人の筆頭株主だった山一證券が破たん。会社からは何の説明もお詫びもなかったという。大きな組織といえども、よもやのこともありうるということを身をもって知った。
「株券もタダになったし、信用が裏切られた。総会も開かずに会社をつぶすなんてそんなんありなのって思った」
そして、歴史は繰り返すかのように、今、クライスラー、GMなど巨大企業が経営破たんしている。その経験から竹田氏は、自身が中小企業経営者という強みを生かして、知名度はそれほど高くはないものの、光る物がある小さな企業に投資する方針に転換。現在もその方針を貫いている。そして、その企業に、ある働きかけをしたいのだという。それは?