大阪にとって運命の日となる「12月19日」が近づいてきた。大阪W選を制した橋下徹氏が大阪市長に就任する日で、関西電力の冬の節電要請がスタートするのもこの日だ。橋下氏が、「敵」としてきた市役所と関電の関係者にとって、19日は緊張の1日になりそうだ。
職員を「シロアリ」から「優秀」へ

指示内容は多岐にわたっている。選挙公約である都構想に向けたプロジェクトチーム、地下鉄民営化の検討、区長公募に向けての必要事項の洗い出し、交響楽団などへの補助金の再検討、保育所の待機児童対策――など。
橋下氏は選挙期間中、「職員はシロアリ」「市役所をぶっ壊す」と公言していたが、職員と接しているいまは、態度を和らげている。マスコミに対し、「市の幹部は優秀。機構さえ変えれば、効率的に動く組織だ」と持ち上げてみせたりもした。「裸の王様にならないよう、どんどん意見を言って」とも語りかけている。
市は約4万人の職員を抱える巨大組織。「政治家としての野心を達成するには、公務員を上手に使いこなせなければいけないことを理解している」(財界関係者)とみられ、若手職員の中には、橋下氏に対して期待する声も出始めているという。

橋下徹氏
本庁だけで聞き取りをしても、区役所改革に必要な細部の情報は届かない。19日以降、橋下氏がどこまで掘り下げて聞き取りをするのか、注目しているという。