竹田和平流経営で会社が蘇る【2】

携帯メールで問答を繰り返す

 竹田和平さんの会社は、竹田本社のほかにも、竹田製菓(菓子製造販売)、タケダ(レジャー施設運営)を抱える。かつてのような伸びはないというふうに聞いていたのだが、突然今年になって蘇っていたのだった。利益は対前年比で5000万円増となっていた。しかも、今年9月の1カ月間は前年同期比で1100万円増、と業績の良さは加速度的に良くなっているのだ。

 社員は以前と変わることなく熱心に仕事に取り組んでいる。それはどこも同じことだろう。それでも、今の時代はなかなか業績を伸ばすことは難しい。竹田さんの手法は、皆さんも一人一台は持っているであろう携帯電話を使ったシンプルなものだった。

 「サービス業は、たわいもないことの積み重ねが大きいもんでねぇ。去年の暮れに思いついたわけ。貯徳問答といって、知恵が出るメーリングリストで問答をさせてねぇ。おかげで、今では他の会社でもやってもらっとって、もう6000人くらいが卒業しとるで」

 竹田さんが言う真心を表す『まろ』の心を伝えるためのもので、それは『まろわメーリングリスト』と名づけられた。

 「人間、教えられたもんは役に立たん。世の中は知識だけあっても、なんもわからんようになっとる。だから、まろわメーリングリストで自分の頭で考えたことが知恵の泉になってくるわけ」

 このおかげで社員一人ひとりが考える習慣が身に付いたことは間違いなく、好業績のきっかけの一つになったことは否定できないだろう。


竹田和平さん

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