不動産バブルに“拉致される”中国経済

不動産長者続出

 米誌フォーブス発表の長者番付けで、中国の大富豪は64人にまで数を増やし、アメリカに次ぐ世界第2位に浮上した。多くの国々が人数を減らす中、中国は却って増加した。この背景には著しい経済成長もあるが、急速な不動産価格の上昇によるものもある。

 今年新しく増えた36人の大富豪うち、4分の1が不動産関係者。ちなみに中国の女性富豪トップにランクインした呉亜軍(ごあぐん)氏も不動産開発「竜湖地産」の社長だ。

 急速な不動産価格の上昇は危険な側面もある。国家統計局が発表した2月の主要70都市の不動産販売価格は、前年同月に比べ10.7%上昇し、9か月連続のプラスとなった。政府は価格を抑制しようとしているが、多くの都市部では一般庶民が手をつけられない価格にまで跳ね上がっている。

 今回、中国国内でトップとなった中国最大の飲料メーカー「娃哈哈集団」社長の宋慶後(そうけいご)氏でさえ、この価格上昇には憂えているという。庶民が値上がりした家を手に入れる為に多くの財産を失い、結果として飲料の消費にも影響することを心配しているのだ。

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