最強の不動産投機集団「温州商人」の次の狙い


南京の江北地域
 「価格が上がれば上がる程、それを買い求める人が出てくる」。今、中国の不動産投資ではそうした現象が起きているが、不動産投機で知られる中国浙江省温州市の「温州商人」がこのたび、集団で南京市を訪れ、不動産を一度に100件近く買い占めたというのだ。

 その温州商人の出身地・浙江省温州市。上海より少し南に位置するこの地は「10歳児でも商売ができる」といわれるほど古くから、利益や商業を重んじてきた。「金儲けができないなら、死ぬほうがましだ」とも言う温州人もいるくらいだ。

 温州は領域の8割を山林が占め資源に乏しく、中央政府からの公共投資にも恵まれなかったことから、人々は大工や仕立屋などの技能を身につけ出稼ぎをしていた歴史がある。こうした背景が「中国のユダヤ人」と呼ばれる、現在の「温州商人」を作り出した。

 商才豊かな彼らは、世界各地でビジネスを行い富を蓄えた。最近の中国での不動産投資ブームとそれに伴う景気の過熱。この背景には“温州マネー”がある。彼らは不動産を次々に買い取り、それを転売して利ザヤを稼いでいるのだ。一時期、上海の新築不動産の3~4割が温州マネーで買われたこともあるほどだ。

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