「スカウト制度」を報じた聯合ニュース
スカウトを始めた韓国
昨年、日本はクロスカップリング理論の研究で、鈴木章氏(北海道大名誉教授)と、根岸英一氏(パデュー大特別教授)が化学賞を受賞した。日本からは化学賞としてはこれで6、7人目。ノーベル賞全体では17、18人目となった。
一方で韓国に目を移せば、ノーベル賞は平和賞のみで自然科学分野での受賞はない。日本から受賞者が出るたびに、「なぜ日本からばかり」「なぜ韓国から出ない」という報道が出る。だが、特別帰化を認めるための基準がこのたび発表されたのだ。これはひとことで言うと『スカウト』だ。
ある種の危機感とも取れなくもないが、国の発展に受賞が追い付いていないようだが、それはなぜか。鈴木章氏が2月に、外国特派員協会で行った講演の発言に答えがある。
「中国や韓国の経済発展は目覚ましいが、今までの経験と蓄積がまだないからです。能力的に決して劣っているというわけではありません。日本は戦後の何もない所から、国を発展させるために教育に力を入れてやってきたことが結果として現れているのです」
韓国の「スカウト制度」で結果が出るのだろうか。ただし、もうひとつの大きな壁が存在する。それは、いくら優れた研究をしても、受賞までには長い年月が掛るということだ。